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ミロ・ウィンターのイソップ童話の塗り絵
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32.キツネとヤギ    
ある日のこと、一匹のキツネが、深い井戸に落ちて出られなくなってしまった。
そこへ、ヤギ が通りかかった。
ヤギは喉が渇いていたので、キツネを見ると、その水は美味しいかと尋ねた。
キツネは、自分の窮状を隠し、
この水はとても美味しいと褒めちぎり、降りてくるようにと促し た。
ヤギは、渇きを癒すことばかりに気を取られ、深く考えもせずに深い井戸へ飛び降りた。
ヤ ギが水を飲みはじめると、キツネは、自分たちの窮状をヤギに打ち明け、
そして、二人して抜け 出す方策を語って聞かせた。
「いいかい、君が、前足を壁に掛けて、角でしっかりと支えてくれたら、
僕は君の背中を駆け上 って、ここから抜け出すから、そしたら、君を助けてあげるよ」
 こうして、キツネは、ヤギの背中を跳躍し、井戸から抜け出した。
しかしキツネは、そのまま 井戸を後にした。
ヤギが、それでは約束が違うと叫んだ。するとキツネは振り向いてこう言った。
「ヤギさん、あんたは老いぼれて、もうろくしたようだね。
もしあんたの頭に、その、あごひげ 程の脳味噌が詰まっていたなら・・
・抜け出せるかどうかも確かめずに、降りては行かなかった だろうがね・・・」

教訓;転ばぬ先の杖


タウンゼント版 イソップ寓話集 日本語訳 より
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